経理は営業より出世しにくい?経理が昇進できない理由

経理は出世するのが厳しい部署です。
専門知識を必要とされ、会社にとって重要なお金の管理を任される経理マンなのに、出世はカンタンではありません。

営業マンは出世が早いとは言いませんが、若くして課長やマネージャーに昇進する人も少なくありません。
これはどの会社にも似た傾向があります。

当記事では、経理が営業より出世しにくい真実の理由についてお話します。

管理職のポジションがあかないから。

出世というとどんなポジションを想像するでしょうか。
部長、課長、マネージャーなどが世間的な出世ポジションでしょう。

ひとつの会社において経理の管理職ポジションはそれぞれ1名ずつしか用意されません。
いくら優秀な経理の人材が二人いたとしても経理部長を二人置くわけにはいきません。

一方、営業では企業の営業●部部長、●事業営業部長など複数名の部長職ポジションがあります。
また、会社の成長とともに部を増やしてポジションを増やしていくことも大いに考えられます。
営業成績さえ残せば若くして管理職ポジションに就く人も出てきます。

経理が出世しにくい最大の理由は、そもそもの昇進ポジション自体が少ないからなのです。











経理は人事異動が少ない部署だから。

人事異動が頻繁に行われ、部長や課長のポジションチェンジがあれば昇進の可能性も広がります。
しかし、経理は専門部署です。
他部署から来た経理未経験者が経理の仕事をするのはムリがありますし、経理で長年知識を得た社員を他部署に異動させるのも勿体無いことです。

一度経理に配属されれば余程の理由がない限りは経理のままです。
よって、出世ポジションはいつまでも空きません。

特に中小企業では人事異動自体がほとんど行われない為、経理部長や課長ポジションが空くのは彼らが定年になったタイミングなんてこともあり得ます。

外部からの経理経験者の採用も!?

経理は転職が多い世界でもあります。
その理由として、経理はどの会社も似たような仕事をしている為、経験者は転職後も即戦力になりやすいからです。
急な退職者が出た際に、社内の経理未経験者を同レベルまで育成するにはあまりにも時間がかかります。
イチから育て上げるより、外部の経理経験者を採用したほうがスムーズです。

経理で経験を積み、課長ポストが空いたとき。

次の適任は自分しかいないのでは?これは出世のチャンス!

なんて思っても、中途採用で経理課長就任なんて例も見てきました。

経理という職種は少ない管理職ポストに無限のライバルがいる厳しい世界なのです。
ホワイト企業の経理なら離職率も低く、管理職にまで出世した人が退職する可能性は低めです。

経理は実務経験がモノを言う世界だから。

どんなに優秀でも、経理は実務経験が重視されます。
あまりに専門性の高い仕事であるが故、若手社員が気合いと根性でベテラン経理マンに仕事で勝つことは難しい世界です。

よって、実務経験に応じて出世していくのが普通であり、営業マンのように若くして出世することは稀です。

同期の営業のアイツが出世したのに何故オレは出世できないんだ…

そんな余計なことは考えないようにしましょう。
実力がないから出世できない訳ではなく、置かれた環境の違いかもしれません。
経理として最短で出世するには地道に職務経験を積み、自己啓発で簿記や税務の勉強をすることです。
経理は実務経験3年未満では管理職どころか一人前の経理スタッフと呼ぶことすら難しい、それくらい奥深い世界なのです。

そもそも経理は平均年齢が高いから。

大学や高校を卒業してそのまま経理に就く人は稀です。
営業や販売などのいわゆる現場職を経験した上で適正を見て人事異動で経理に配属される人が多いです。
管理部門は営業と比較すると平均年齢は高めです。

大企業であれば新卒入社は総合職採用が多い為、最初は営業スタートになります。
新卒、中途採用ともに営業職は若手社員が沢山入社する為、平均年齢も若くなります。
中小企業であれば新卒でも経理ポジションで採用というケースもあります。

平均年齢が高いという部署ほど、年齢が高い人から出世していくのが通常です。
いくら年功序列の人事制度が崩壊してきているとは言え、やはり平均年齢が高めの経理のような部署では若手が昇進するチャンスは少ないのです。

管理部門を軽んじる会社もあるから。

営業を重視する会社では、経理のような管理部門を軽んじて扱われ、出世しにくいこともあります。
結果を残した営業マンはどんどん出世し(当然、結果が出なければ昇進できず降格も有り得ますが)、そもそも結果が見えにくい経理はなかなか出世ができません。

出世とはまた別ですが、営業手当がつく会社もありますし、営業成績でインセンティブがつく会社もあります。
当然経理にはインセンティブなんてありません。

例を出すと、バリバリ営業をこなすワンマン社長は、管理部門の重要性を軽視しがちです。

売上を上げる営業マンのお陰で経理のような管理部門に給料を払えるんだ!

たしかにそのとおりです。
経理はお金を稼いではいませんから。

もちろん、会社によっては経理の重要性を理解し評価する会社はあります。
社長や役員の考え方次第です。
それでも、出世しやすいかどうかとは別物です。

経理から別部署管理職への昇進はあり得る?

管理職ポストが空くのが厳しい経理職なら、他部署の管理職に異動昇進は有り得るのでしょうか?
決して多くはないけど、有り得ます。

経理は専門性が高い為、異動自体が多くはないでしょう。
もし経理職から人事異動で別部署管理職の道があるとすれば、会計や財務に親和性の高い部署です。

具体的には経営企画部、財務部などが挙げられます。
経理で昇進を目指したくてもポストが空く見込がなければ、関連部署の管理職を目指して異動希望を出すのも良いでしょう。

【関連記事】経理部からキャリアチェンジできる職種まとめ

経理は女性管理職も多い部署。

昔と比べてどの部署も女性管理職が増えています。
中でも、経理は内勤事務職であることから女性比率も高く、経理課長やマネージャーに女性を配置することも多く見られます。

スケジュール管理能力やコンプライアンス対応など、経理のマネジメントには細かな配慮が必要なことが多く、どちらかと言えば女性が得意とする能力です。
こういった能力に長けている女性経理マンは出世しやすいと言えるでしょう。
反対に、やる気と根性で押し進むタイプは営業では出世できるかもしれませんが経理管理職には向いていません。

男性経理マンにとっては昇進においては女性も強力なライバルとなる為、より出世が厳しいと考えて良いでしょう。
それでも、会社としては結婚や出産に左右されずに長年に渡り経理を任せられる男性管理職を育てたいと考えるのも本音です。

出世しないメリットも考えて良いのでは?

そもそも、出世することが必ずしも良いこととは思いません。
特に経理という世界は残業時間や休日出勤も多くなりがちの為、非管理職であれば残業代がたっぷりと出ます。
これが課長クラスの管理職まで昇進すれば残業代は一円もつきません。
いくら管理職手当が付くとはいえ、月に50時間以上残業すれば残業代のほうが高かったりします。

これだけ残業して責任ある仕事をしたのに、課長昇進前のほうが給料が良いなんて…

決算期ならこんなジレンマだってリアルに有り得ます。

金銭に関するトラブルが生じれば経理の管理職であれば責任を負うこととなります。
経理で出世することが全てではありません。

専門知識や資格を持った経理職であれば非管理職として転職してもそれなりの高年収を狙うことも可能です。
管理職としてではなく、経理専門職として自身の年収アップをしていくこともひとつの道です。

経理として出世することが大切なのか、年収を上げることが大切なのか。
自身のキャリアプランについて見つめ直してみましょう。

【さいごに】経理の出世チャンスはいつか回ってくるはず。

人事異動、退職、出向、組織変革(リストラククション)など…
早かれ遅かれ、いつかは出世のチャンスは回ってくるものです。

もし今の管理職が居なくなったときに後任を誰に任せるのか。客観的に考えてみてください。
そしてその候補は経理プレイヤーとしてのスキルではなく、マネジメント能力がある人です。
出世チャンスが回って来たときにモノにできるように準備をしておきましょう。

たしかに経理は出世しにくいかもしれません。
しかし、会社に期待されて配属されていることは間違いありません。
ただし、「とにかく早く出世したい!」という人は経理職にはいないほうが良いかもしれません。