1級販売士は難しい?1年で独学合格にチャレンジしてみた

小売業界では有名な資格、販売士。
販売知識、売場レイアウト、販売員教育、仕入計画、原価計算、店舗出店計画、店舗運営など小売業に関する様々な知識を学べる資格です。

小売業経験のない私ですが、不動産販売業をしていた頃に販売士資格を知り興味を持ちました。
書店でテキストを読むとスラスラ読めそうな面白い内容もあったので受験をしてみようと考えました。

当時はお金がなかったのもあり、こう考えました。

独学で試験にチャレンジしよう!
どうせなら最高レベルの1級販売士を1年間で目指そう!

独学とは、通信教育や資格学校の講座は受けずにテキストだけで自力合格すること。

ムチャな野望からスタートしましたが、
結論から言うと「1級販売士は独学合格可能」です。
それでは、私の体験談を交えて1級販売士独学合格という道についてお話します。

【はじめに】1級販売士って難しいの?どんなメリットがある?

小売業界では有名な資格でも、一般の知名度は少ない販売士。
販売士試験は別名「リテールマーケティング検定」とも呼ばれます。

私も不動産業界ではあまり聞かないので知りませんでした。
果たして販売士はどんな資格なのでしょうか。

販売士試験データまとめ

販売士は商工会議所の検定試験。
商工会議所の検定と言えば、日商簿記検定やそろばん検定が有名ですね。

販売士は1級から3級まであります。
まずは資格概要について各級ごとにまとめます。

■3級販売士試験データ
出題分野:小売業の類型、マーチャンダイジング、ストアオペレーション、マーケティング、販売・経営管理
試験時間:100分
合格基準:筆記試験の得点が平均70%以上、1科目ごとの得点が50%以上
合格率:約60%
試験回数:年2回(7月月土日・2月平日開催)
受験料:4,200円(税込)

■2級販売士試験データ
出題分野:小売業の類型、マーチャンダイジング、ストアオペレーション、マーケティング、販売・経営管理
試験時間:100分
合格基準:筆記試験の得点が平均70%以上、1科目ごとの得点が50%以上
合格率:約50%
試験回数:年2回(7月月土日・2月平日開催)
受験料:5,770円(税込)

■1級販売士試験データ
出題分野:小売業の類型、マーチャンダイジング、ストアオペレーション、マーケティング、販売・経営管理
試験時間:120分(午前)、80分(午後)
合格基準:筆記試験の得点が平均70%以上、1科目ごとの得点が50%以上
合格率:約20%
試験回数:年1回(2月平日開催)
受験料:7,850円(税込)

商工会議所HP:https://www.kentei.ne.jp/retailsales/
※データは記事掲載時点のものです。

イメージ的には3級は現場の担当者レベル。
2級は店長などの管理職レベル。
1級となると小売業経営者レベルといったところでしょうか。

受験資格はない為、いきなり1級からのチャレンジも可能です。
(とはいえ、勉強は3級→2期→1級と徐々にステップアップする必要はあります。いきなり1級テキスト読むのは無謀ってやつです)

合格率だけでみると、1級販売士は難関資格のなかでは取得しやすいと言えるでしょう。

1級販売士合格までの勉強時間目安は?

あまり出回っているデータの少ない1級販売士勉強時間。
ネットの情報を総合すると約150時間程度です。
※3級販売士の勉強30時間、2級に50時間、1級に70時間で計150時間

日商簿記検定1級の合格勉強時間目安は600-800時間。
1級建築士は1,000-1,500時間。
同じ1級でも販売士は簡単な資格と言えます。

勉強時間だけで考えると1級販売士は独学合格しやすいはずです。

さすが1級販売士となるとメリットが多い

続いては最高レベルである1級販売士になるとどんなメリットがあるのか調べてみました。

・小売業界では評価や出世対象になる
・販売員から本社の新規出店開発担当や商品企画担当などへの異動も狙える
・小売業の他にも営業職、流通業、店舗ビジネスの会社でも評価される
・履歴書や職務経歴書に記入すれば転職に有利になる
・名刺に載せられる
・クライアントからの信頼が高まり、売上アップに繋がる
・「売れるお店」の作り方がわかる
・講師登録ができる
・実務経験や講師経験を積めば販売コンサルタントとして独立できる(かも)

さまざまなメリットがありますが、注目したいのは講師登録についてです。
1級販売士に合格後、指定の研修(2日間)を受講することにより商工会議所から研修・セミナーの講師依頼を受けることができます。
講師はなかなか体験できない貴重な経験ですよね。











1級販売士の論点は難しくない

どのカテゴリを取っても1級販売士の問題は難しくないと感じます。
正解に結びつくかは置いておいて、「何を言ってるのかサッパリわからない」という問題や「解くのにかなりの時間を費やした」みたいなことはありません。

私の経験上、同じ1級でも日商簿記1級みたいな複雑怪奇な問題は1級販売士にはありません。

独学でも一度テキストを読んでおけば少なくとも「なんのことだかサッパリ…」なんてことはありません。
総じて、1級販売士の論点は「他の難関資格と比べれば」カンタンです。

出題論点はパターン化される

1級販売士の論点はそこまで多くはありません。
類似パターンの論点が多いことは過去問を繰り返し解けばわかります。

特に筆記問題については販売士特有の単語をテキストどおりに覚えていれば得点できます。

テキストを読めば独学でも何とかなる!

1級販売士のテキストは書店で購入できます。
小売業界で働いている人はもちろん、そうでない人も割と読みやすいテキストです。
他の難関資格と違って内容が馴染みやすいのも販売士の特徴です。

テキストを読んだだけでも内容がわかる為、わざわざお金をかけて資格学校や通信教育に通わなくても独学でも勉強は進みます。

とりあえず、読んで読んで読み込みまくることが大切です。
イマイチ意味がわからなくても、試験で出題されたときにはテキストの内容に沿って解答すれば点数を獲得できます。

先述のとおりそれほど論点は多くないので、テキスト内の重箱をつつくような箇所まで網羅的に理解しているかのほうが大事になります。

独学では質問できる先生はいません。
深い意味は考えずにテキストをそのまま覚えることが1級販売士合格への近道です。

1級販売士は過去問がネットで手に入る!

1級販売士合格への最大の近道は過去問を解きまくることだと断言できます。
何故なら過去問で出題論点のパターンを身につければ類似問題が出題される可能性が高く、対応に困らないからです。

他資格の過去問題集は一冊3,000円程度で売られています。
1級販売士の過去問はなんとネットで公開されています。

こちらのサイトで取得できます。
販売士検定・リテールマーケティング合格の鍵

科目合格もあるので合格しやすい!

1級販売士は5科目で構成されています。
70%以上の得点をすれば科目合格となり、翌々年まで受験不要となります。

ただし、記述問題については何が正解で何が不正解なのかイマイチピンとこないこともあります。
2回受験しても相性悪い問題と遭遇すれば連続不合格もあり得ます。

【体験談】1級販売士独学チャレンジ

それでは、私自身の体験談をお話します。
販売士のテキストを最初に手にしたのは5月のゴールデンウィーク。
試験は翌年の1月に受験することに決めました。
勉強できる期間は約9ヶ月と1年足らず。

もちろん、働きながらのチャレンジです。残業や休日出勤もそれなりにあります。
そんな中で3級販売士のテキストを手に取り独学で勉強をはじめました。
3級は販売の基礎テクニックが多く、資格試験とは思えないほど楽しく勉強できました。

へー、商品を買うに至るはこんな心理が働いているんだ!

販売員や営業マンなら使えそうなテクニックが沢山です。
1日平均30分程度の勉強時間でしたが、1ヶ月程度で過去問合格レベルまで達しました。

続いて2級になると少しだけ難易度が上がります。
マネジメント系の論点が増え、馴染みやすさはなくなりますがなかなか面白い。
少し勉強時間は増やして1日平均45分程度に。
こちらの2級も2ヶ月程度で合格点レベルに達することができました。
ここまでは独学でも楽勝。
モヤモヤした論点はなく、テキストや過去問の解説で納得できます。
実際に受験はしていませんが、初学から2級販売士合格までに要した勉強時間は約60時間程度でした。

そしてここからが本番!最高峰レベルの1級販売士です。
この時点で試験当日まで半年を切っていたので、勉強時間は1日平均1時間に増やしました。
(働きながら毎日はキツイので、土日は2から3時間程度。平日は早く帰れた日に1時間程度。あとは通勤電車や移動時間にテキストを読むくらいです。)

1級になると難易度はグンと上がる…
と思いきや、そこまで難しいとは感じませんでした。
小売業界全体のマニアックな話も多くなり馴染みは一切ないものの、社会勉強としてなかなか面白い…

計算問題や記述式が多く、ハッキリ言ってきちんとテキストを読まないと解答できない…何となくでは解けません。

ラストスパートの2週間は1日2時間勉強してとにかく過去問!
試験勉強自体はツラくないものの、合格できるのかは不安のまま試験当日を迎えました。

さすが販売士!試験日程は平日開催!

販売士は小売業の人をメインターゲットとしている為、土日開催ではなく平日開催。
(小売業で働く人はなかなか土日休めないですからね。販売士試験が業界の仕事の邪魔をしては元も子もないので配慮されているのでしょう。)

販売士試験会場は1級から3級まで同解除で老若男女さまざまな受験者がいました。
しかし、さすがに1級の試験会場につくと30代以上の男性が多く、若い女性はほとんどいませんでした。

実際、1級販売士の合格者は約80%が男性のようです。

1級販売士独学チャレンジの結果は…

長らく引き伸ばしにしましたが、私のチャレンジ結果発表です。

小売業の類型:55点(不合格)
マーチャンダイジング:68点(不合格)
ストアオペレーション:75点(科目合格)
マーケティング:80点(科目合格)
販売・経営管理:70点(科目合格)
合計:348点(不合格)

というわけで、結果だけを言うとギリギリ不合格…チャレンジには失敗したわけです。
ただし、勉強期間がたったの9ヶ月間だったこと・1日1時間ペースとそこまで時間をかけていなかったことを考慮すると…

結論としては、「1級販売士は独学でも1年間勉強すれば合格できる資格」ということです。

ちなみに総勉強時間は約150時間。
総コストはテキスト代、受験料、試験会場への交通費のみなので1万円ちょっとです。

1級販売士独学チャレンジを通じて学んだこと

私は1回のチャレンジ後、翌年からは仕事が忙しくなった関係で再チャレンジはしませんでした。

しかし、販売士の勉強をして良かったと思っています。
(たぶん)後悔はしてません。
このチャレンジで学んだことをまとめます。

・小売業に関する勉強は楽しい。顧客心理を学ぶことは営業にも活かせる。
・店舗は顧客心理を考えてレイアウトされている。スーパーに行くのが楽しくなる。
・商品企画など花形部署に異動したい人にも販売士はオススメ。
・1級販売士は独学合格可能だが、中途半端な勉強では合格できない。
・とにかくテキストを読み込めば何とかなる。

まぁ私は現在は経理職なので販売士の勉強はあまり役に立っていませんが…